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Works 近世初頭16世紀以降、南蛮貿易により異国の染色として伝来した「更紗」は、 古くから日本の人々に愛され珍重されて、日本独特の裂の愉しみ方が育てられてきました。 それは、古来から伝わる美、即ち「わび・さび」を追求した当時の人々の感性によって完成されたものです。 ものづくりにおいて、つくり手たちが腕を競い合い精魂込めて作り上げる事は、昔も今もなんら変わることのない営みだと思います。 今までの私の作品制作におけるコンセプトは、そんな結集された技術や感性に私なりに挑戦し、 そして現代の新「わび・さび」を追求したものでした。 今回の出品作の制作にあたって私は、古くから人々に受け継がれた装飾文様の本来持ちうる意味を探りその根源をひも解き、祈願のシンボルとしての生命の樹をとおして現代の生命の樹を私なりに再構築させたのです。 そして、それは意味のある文様への再認識を促し、それによって創造される新しい装飾美を追求しているのです。 技術的な面からは、チャンティンというジャワ更紗固有の道具を用いて、すべて手描きによるロウケツ染め手法をとっています。染色は、古来からある草木染めと現在多く使用されている化学染料とを併用し、またジャワ更紗の特徴である浸染に友禅染めの技法である色挿しやインド更紗などの技法も取り入れて、ジャワ更紗だけに留まらず、更紗全般での幅広い表現を目指しています。 ![]() 土耳古金唐草風更紗図 (2003) 絹布 130cm X 85cm 大地から聖なる命の水を吸収し、 豊かな水源を宿した場所にはやがて、 天と地を繋ぐ宇宙の中心に位置する聖なる生命樹が 誕生する。それは、太古の昔から人々が祈願した 無限の豊穣と再生を象徴するのです。 古代社会の人々の祈願と 現代社会に生きる我々の祈願に相違はあるだろうか。 現代に生きる私が、装飾文様の根源を探り 再構築させ表現した生命樹を模様で表現したイコンのように、 そして色彩で表現した曼陀羅のように感じて欲しい。 ■作品をクリックして大きくご覧頂けます■
これらの作品の詳しい解説は、 「月刊 染織α 2004 11月号〜チャンティンで描く手描き更紗の技法と表現」をご覧下さい。 インドネシアのジャワ更紗(ろうけつ染めの一種)は、近世初頭16世紀以降南蛮貿易により 異国の染色「更紗」として伝来し、古くから日本人の人々に愛され珍重されて来ました。 それは、日本独自の伝統美である茶の湯の世界に融合し、舶来の珍しい裂として茶席の道具類の袋 や書画の表具、包み裂、茶具敷などに用いられるなどして独特の裂の愉しみ方が育まれてきました。 古来から伝わる美、即ち「わび・さび」を追求した当時の人々の感性が、そこから窺われます。 当然のことながらそれは、日本の染師たちを触発し、我が国では和更紗が完成され、 着物の世界にも大きな影響を与えました。 つくり手たちは、腕を競い合い、より美しいものを目指して精魂こめてつくり上げていたことでしょう。 それは、ものづくりにおいて、昔も現在もなんら変わる事はないと思います。 作品の軸にしているのは、そんな結集された技術や感性に私なりに挑戦したものです。 素材は、すべて絹を使用しております。 現在では、殆ど廃れてしまっているインドネシアで唯一、細々と手で紡ぎ手で織っている 工房の絹を使っています。染色に携わる者にとって布へのこだわりは、 自分の表現したい作風に近づける為の土台のようなものなのです。 その手紡ぎ手織りの絹布をいかす事で、今回の私自身の目的としている「わび・さび」を よりいっそう深く表現してみました。技術的な面からは、チャンティンという ジャワ更紗固有の道具を用いて、すべて手描きによる手法をとっています。 そして、文様はジャワに伝わっている古典模様を基本にし現代風にアレンジを加え、 古典美だけにとらわれない新しい作風を目指しました。 日本と異国の技術を合わせもった調和のとれた装飾美で、 現代の新「わび・さび」を表現できればと思っています。 |
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パトラとニティック インドから13世紀以降インドネシアに伝来した染色品パトラは、絹の経緯絣で花を意 味し、古くからソロやジョグジャカルタの王宮において儀礼用の衣装や装飾布として用 いられ、王侯や貴族の権威の象徴でした。 そのパトラ文様をジャワ更紗で表現する為にできた非常に珍しい技法があります。 それはニティックと呼ばれ、特殊なチャンティンを用いて多数の四角い点描でろう置 きし、まるで織物の様に文様が表現されています。この技法は、現在では殆ど使われて おらず、パトラと同様に権威の象徴として王宮で使用されてきました。 今回の作品展では、その技法や複雑な模様を表現し、またそれを現代風に表現しています。 模様は、何か意味を含んだ見方もでき、単にそれを作品構成する事のみに使用する のではなく、意味を理解し使用することによって、作品に不思議な風格が 備わってくると思います。 |
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| The source of the light 光源 水のもつ生命力。そこにはこの世に生をうけるもの全てが宿り、やがて尊い光を放つ。 |
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